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WinDepth

『SuperDepth』の海ステージにスポットを当て、Windows用にリメイク

PC-9801をメインプラットフォームに活動してきたBio_100%が、初めてのWindows用タイトルとしてリリースしたのがこの『WinDepth』である。『SuperDepth』の海ステージのみをピックアップし、スコアアタックに重点を置いたところが特徴で、気軽に何度もプレイできるように全体のテンポは速めに調整されている。

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▲『WinDepeh』のタイトル画面。256色表示でヤマ卜(やまぼく)や潜水艦が艶やかになった。

またそうした趣旨に伴ってストーリー性やパワーアップ要素などは排除。『SuperDepth』のような派手な攻撃は一切なく、航空機からの援護爆撃がボム代わりとして存在しているのみ。だがそれさえもアテにすることなく、自分の腕でどれだけストイックにスコアを伸ばしていけるのか。そこへ挑戦することが『WinDepth』をプレイする者に与えられた使命だ。

このように単純明快な目的を据えた割り切った作りは、やはりスコアアタックに命をかけ、ランキングに名を刻むことに情熱を燃やしたかつてのアーケードゲームを彷彿とさせてくれる。それだけに1980年代からゲームセンターに入り浸っていたような世代の方々のほうが、逆にハマってしまう可能性は高いかもしれない。『WinDepth』は当サイトのダウンロードコーナーから入手することが可能となっているが、仕事や学業に差し支えない程度にハイスコアアタックをお楽しみあれ。

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▲トップ10まで名前を刻むことが可能。当時はこのスコアをサーバーへ送ることができた。

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誘爆というファクターを取り入れ、より熱いゲームへと方向転換

『SuperDepth』の海ステージでは、やられる前にやってしまえとばかりに次から次へと爆雷をバラまくことがよしとされていたが、『WinDepth』では何も考えずに爆雷を投下しても、残念ながら思ったほどスコアは伸びてくれない。ハイスコアを狙うためには、この作品から取り入れられた「誘爆」という要素をうまく使っていかなければならないのである。

爆雷1発で敵を破壊すると、周辺にいる敵もその爆発に巻き込むことができるようになっており、1発で1隻の敵を破壊するよりも、2隻、3隻と巻き込めば2倍、3倍のスコアが獲得できるというのが誘爆の特徴だ。このシステムのおかげでスコアアタックも単調にならず、それどころか反射神経を研ぎ澄ませながらも脳をフル回転させる必要があり、知らず知らずのうちに何度もやり込み熱くなってしまう。

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▲誘爆を狙って複数の敵を一気に破壊すれば、スコアは倍々で伸びていく。

また3ステージごとにチャレンジングステージが用意されていて、通常のステージとは異なり敵が一定の隊列を組んで出現するようになっている。ここで誘爆を狙えば一気にスコアを稼ぐことができるという、いわばボーナスステージのようなもので、美しく仕留めたときは脳汁出まくりの快感! しかし外したときはリスタートすべきか悩むくらいに凹むという、諸刃の剣でもある。連鎖系パズルにハマったことがある人ならば、この高揚感と中毒性はすぐに理解いただけるのではないだろうか。

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▲チャレンジングステージでは積極的に誘爆を狙い、一気にスコアを伸ばしたいところ。

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ゲーマーを熱中させたインターネットハイスコアランキング

満足のいくスコアが出せたなら、それを他人と比べてみたくなるのがゲーマーの性というもの。『WinDepth』は幾度かのバージョンアップを重ねた末、その点もしっかりとフォローしてみせた。自分のスコアをBio_100%のサーバーへ送ることによって、全国のプレイヤーとスコアを争うことが可能になるという、インターネットランキング機能を実装したのである。

▲カッパー潜水艦のホーミングミサイルには、序盤から終盤まで手こずらされる。
▲アイテムをとると航空機が絨毯爆撃を行ってくれる。頼りになる存在だ。

今でこそネットワークゲームというカテゴリーが当たり前のように存在し、ネットにつないだPCやゲーム機であればプレイヤーどうしでスコアを争うことも極普通に行えるが、Bio_100%はそれを10年以上前にフリーウェアで試みていた。ランキングサーバーの稼働だけでもそれなりの経費はかかったはずだが、面白ければ本当になんでもやってしまう集団だったのだと改めて実感させられる。さすがに2008年現在、ランキングサーバーは稼働していないが、このサイトの公開に伴って再びファンの間で『WinDepth』が盛り上がる可能性はなきにしもあらず。みんなの熱い声が届けばもしかして......。

▲脳味噌は水面に向かって上昇し、ヤマ卜(やまぼく)に体当たりを仕掛けてくる。

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Windows用ゲームの活路を開いたグラフィックライブラリの存在

1993年にWindows3.1がリリースされ、PCのOSはMS-DOSからスムーズに移行されていくものと思われていたが、ゲームに限ってはWindowsがまったく使いものにならず、しばらくの間はMS-DOSとWindowsを使い分けていたゲーマーも少なくない。というのも、Windows標準のGDI(グラフィカルデバイスインターフェース)では描画速度が遅すぎて、ゲームのように高速描き換えを必要とするアプリケーションには不向きだったのである。そうした短所を解消するために開発されたグラフィックライブラリが"WinG"と呼ばれるもので、これの登場によってようやくMS-DOSにも引けを取らないゲーム環境がWindows上にも構築された。

▲ヒラヒラ潜水艦の火球はスピードがあり、至近距離で撃たれると回避不能。軸を合わせないように動かなくてはならない。

『WinDepth』の初期バージョンはこのWinGを使用して開発されているが、こうした混迷の時代の中でプラットフォームを移すというのは勇気のいることだったと思われる。しかしそのチャレンジ精神が名作を生み、Windowsにおいてもフリーウェアやシェアウェアのゲームの価値を高めたという意味で、やはりBio_100%が当時のゲーム市場に与えた影響は大きかったと言えるだろう。

▲ステージ19にはボスが待ち受けている。動きに慣れるまでは苦戦を強いられるかも。
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コメント(3)

  • キヨフジ:2010年1月 9日 19:59

    小学生時代にすごくはまっていた、「曲が素敵で、海に爆弾を投下して戦艦を爆発させるゲーム」…。
    ここ10年ほど何のゲームだったか思い出せずにいましたが、偶然ここに辿り着いてついに思い出しました。このゲームでした!

    しかも今もダウンロードしてプレイできるということで、早速あの時以来にプレイしましたが、懐かしすぎて感動しました。
    それにしても、初めて見る「脳味噌」に驚いてしまいました。当時の自分は、そのステージの前でやられてしまっていたようです(笑)過去の自分の分も頑張ってハイスコアを目指したいです。

    BGMも本当に大好きで、当時は頑張って聞き取って鍵盤ハーモニカで弾いていました。現在、自分も作曲をするようになりましたが、この印象的なメロディーは、他にはない渋さとカッコよさがあると思います。
    つい衝動に駆られて、このMIDIを元に、自分で音色を作って着メロを作ってしまいました(私的利用です)

    素晴らしいゲームをありがとうございます。

  • MU-TANN:2010年3月 7日 10:52

    このゲームを知ったのは、多分幼稚園の頃だったかと…
    お父さんに教えてもらってやっていたのが懐かしいですね。
    久しぶりにやりたくなったのですが、Windows98のパソコンはついこの間電気屋さんに持って行って処分したしまったので、もうできなくなっただろうなと思っていました。しかしどうしてもやりたいと思い、サイトへアクセスしたらまだあったので驚きました。
    さっそくダウンロードしたのですが、私の使っているパソコンがWindows7なので相性が悪く開いてくれませんでした。
    でもやりたかったので、いろいろいじってみたところ、画面は小さいですができるようになりました。

    今では、昔みたいに家族みんなでやっています(>ω<)

  • 紅の豚:2012年6月29日 08:51

    Windows95発売の頃、高校生だった僕はバイトして中古の
    PC-9801BX2を買って本体買うのに精一杯だったからソフトを高校の先生からもらってたことを思い出しました
    このソフトも先生からもらってよく遊んだことを覚えています
    当時としては高くて買えなかったサウンドカードもなくビープ音だけで音を出すというの言うのは当時としてはインパクトを受けました、家庭ゲーム機に負けないぐらいのクオリティーで出せたのはすごいと思いました

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