フィールドの動きと戦車の動きに慣れることが最初の関門
最新鋭戦車GOGGLEを駆って、敵軍の車輛を殲滅していくステージクリアー型のアクション。この作品の特徴はなんといってもフィールドの動きにあり、自機は常に中心に位置しつつ、前後に動けば前後にスクロール、左右に旋回すれば左右に回転と、ダイナミックに反応してくれる。
だがその動きの中で敵を射程範囲に捉えようとすると、これがなかなか難しい。敵の右側に回り込みたいはずなのに気づけば敵に左側面を晒すことになっていたり、後退しながら左に回避するはずが右の壁に激突していたりと、最初のうちは挙動不審な戦車になってしまいがち。しかしフィールドの回転に惑わされることなく戦車特有の動きをコントロールできるようになれば、敵の攻撃に対しても瞬時に反応できるようになってくる。このゲームの面白さは、そうなってからが本番だ。
クリアーには欠かすことができないパワーアップと回避行動
敵と対峙する上で最も重要になってくるのが回避行動である。敵を射程距離に捉えたということは、こちらも敵の射程距離に入っているということであり、正面切っての撃ち合いを挑んでも確実に反撃を受けてしまう。戦車は水平移動が不可能なため、これを回避するためには後退しながら左右どちらかに旋回し、射軸をずらすように動いてやらなくてはならない。
そしてこの回避行動がマスターできれば、いよいよ本格的に戦車バトルの醍醐味が堪能できるようになってくる。敵の背後をとることも容易になり、後退しながら壁の陰に隠れて追尾してきた敵を迎撃するというような、戦略的な行動をとることも可能。いかに敵の射角から外れ、こちらの射角に捉えるか。位置どりや障害物を利用した、その駆け引きがたまらなく熱い。
また敵を破壊するとアイテムを落とすことがあり、これを取得すればエネルギーの回復や、ショットのパワーアップといった効果が得られるようになっている。ショットには、前方に一発ずつ弾を撃つノーマル、前方に二発同時に弾を撃つダブル、前方と後方に一発ずつ同時に弾を撃つテイルの3種類が存在し、同じ種類のパワーアップアイテムを取り続けることによってレベルが上がっていく仕組みだ。立ち回りを極めると共に自分のプレイスタイルに合ったショットを見極め、強化していくことが重要。またエネルギーの10パーセントを消費して放つ強力なグレネードを、どこで使用するかによっても戦局が左右される。
BGC SYSTEMが可能にした、違和感のない回転フィールドでの戦闘
フィールド全体を回転させるという手法は見た目にも迫力があり、演出効果としても抜群だが、敵もそれに合わせて回転させてやらなければ不自然さが出てしまう。しかしこの処理をCPUパワーにまかせようとしても、15年以上前のマシンでリアルタイムに計算させるのは厳しいものがあった。それならばと、前もって回転させたキャラクターをメモリ上に置いておくという画期的な手法がとられ、これをBCG SYSTEM(Beforehand Goggled Character system)と名付けている。
このシステムのおかげで、フィールドやキャラクターを回転させまくりつつもゲーム全体のパフォーマンスを保つことに成功。だがそれでもまだ動作が重くなってしまうマシンのために、障害物をワイヤーフレーム表示にするモードも搭載し、多くの人が楽しめる工夫を施している。
余談ではあるが、MS-DOSではメインメモリの容量に制限があったため、メモリを多く消費するこのBCG SYSTEMは一部のユーザーにDOS環境の再構築を強いることにもなった。が、当時はゲームをプレイするためにOS起動時の設定ファイルを書き換えたり、専用の起動ディスクを作ったりということが当たり前だったため、それについて不満を述べるような人は皆無だったと記憶している。むしろどれだけメインメモリを確保できたか競う傾向にすらあったぐらいで、なんともよい時代だったのだなと改めて懐かしく思い返してしまう。
- この記事のトラックバックURL:
- http://bio100.jp/mt_manager/mt-tb.cgi/42
コメント(1)
-
- KUROTAMA:2013年2月 2日 10:53
BIO100%のゲームは限られたPCスペックの中でいかにスムーズな
動きをさせられるか、そんな試みが多く見られます。
GOGGLEⅡは小学生の頃、親のパソコンを借りてよく遊びました。
戦車の操縦に慣れると回避しながら敵を狙い撃ったり、
敵に悟られないように背後へ回るなどドキドキしながら遊んだものです。
自分中心に画面が回転するのも戦車の視点が感じられていいですね。carⅡgrandprix も大のお気に入りでした。
いつかWindows上で遊べないかなぁ。。