行動は「移動」と「会話」のみの、誰でも遊べるアドベンチャーゲーム
『TURB』は、ののりんという猫がパートナーの子猫と一緒に不思議な世界を冒険するアドベンチャーゲームである。
「アクティブアドベンチャーゲーム」と銘打たれているとおり、行動は「移動」が主体。プレイヤーがののりんを操作し、マップ上を歩いて様々な登場人物と会話し、謎を解明していく。複雑なバックストーリーもなく、特別な単語入力なども要求されず、移動の他にすることといえば登場人物との「会話」のみ。誰にでも入り込めるシンプルなシステムのアドベンチャーゲームである。
ストーリーのシュールさがプレイヤーを引き付ける
言ってしまえば、『TURB』は「フラグ立て」がすべてのアドベンチャーゲームである。しかし、それだけで終わっていない最大の要因は、そのストーリーのシュールさにある。プレイするうちに、その奇想天外な世界にグイグイ引き込まれていく自分に気がつくだろう。さらに、ストーリー上での3話の差別化もきちんとなされている。
第1話では『TURB』の不思議な世界に触れるのがメイン。第2話ではパートナーの子猫が話せるようになって大活躍。第3話では主人公が目が見えなくなるというアクシデントに見舞われ、おまけにアクションゲームもプレイすることになったりと、3話とも異なったシュールさでプレイヤーを楽しませてくれるのだ。
なお、特異なストーリー部分にのみ目を奪われがちだが、イベントのグラフィックやサウンドのエフェクトの見事さも見逃さずプレイしたい作品である。こういった演出面への凝り方も、Bio_100%らしいこだわりを感じることができる。
制作者の手の平の中で踊らされる心地良さを味わおう
とにかく次のストーリーが予測がつかず、作者の手の平の中で踊らされているような感覚は、同じnanoray氏がシナリオを担当する『タ゛タ゛』に近いものがある。アドベンチャーゲームというより、nanorayワールドを心ゆくまで堪能するゲームと言えるかもしれない。
よって、シナリオに意外性を求めるプレイヤーや、根っからのnanorayファンであれば楽しめる可能性は大だが、この世界を堪能できないプレイヤーも正直少なくないだろう。Bio_100%のゲームでは特に好みが分かれる内容と言えるが、ここまでハッキリした作り手の割り切り方には清々しささえ覚える。ありきたりなストーリーのアドベンチャーゲームに一石を投じる衝撃的な作品である。
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コメント(2)
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- Dontacos:2011年5月31日 07:58
幼稚園児~小学生位の頃に父のパソコンでよく遊ばせて貰っていました。
無音の世界ですが、ワープ券や唐突に出てくる顔文字、ビカビカマンが面白くて面白くて。3話のイイ所で父のパソコンとも離れ離れになってしまい、続きが気になっていたのですが漸く見る事ができました。動画を公開して下さり本当にありがとうございます
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- taiki:2012年9月 9日 02:00
僕も幼稚園の頃、親父からPCの操作を教わった姉貴と一緒になって遊んでいました。応接間の片隅においてある、子供にとっては大きなパソコンで、一生懸命起動の仕方や正しい終わらせ方を教わった覚えがあります。大人になった今、姉貴とはあまり話さなくなりましたが、この頃の思い出は僕にとってとても大事なものになっています。
僕が遊んだのはTURBの何話か分からないけど、久しぶりに「bio100」のことを思い出して検索してみたらこのページがあり、とても懐かしい気持ちになりました。
「TURB」、「戦国TURB」、「デプス」そして「ダイナモ」は、とても記憶に残っています。少し大きくなってから他のゲームをやろうとしたところ、PCのスペックのためか「蟹味噌」ができなかったことも思い出しました。
最近のPCでも遊べるようにどのゲームも復刻してほしいなぁ。良かったら…どうかお願いします。