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ある勇者の憂鬱/タ゛タ゛

Yes or Noの選択でサクサク進んでいくマルチエンディングテキストアドベンチャー

かつて聖なる光の力をもって街を闇から救った伝説の勇者も、今では人々から忘れ去られ、すっかり平和になった街で退屈な毎日を送っていた......。『ある勇者の憂鬱』は、プレイヤーがそんな勇者になりかわって物語を進めていくテキストアドベンチャーゲームである。

ゲーム中は何度も行動の選択が要求され、YesかNo、進む方角などを入力すれば、自動的にストーリーが進行していく。時には特定の文字列の入力を要求されることもあるが、ほとんどはYesかNoの選択だけでオーケーだ。よってゲームはテンポ良くサクサクと進むが、この何気ない選択で勇者の運命は大きく変わっていくことになる。ストーリーの進め方によって、このゲームには40種類以上ものエンディングが用意されているのだ。

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▲まず最初に、街から去るかどうかの選択を迫られる。街から去った場合、その後に進む方角によってストーリーが大きく分岐していく。もちろん、去らずにストーリーを進めてもハッピーエンドを目指すことは可能だ。(ある勇者の憂鬱)

一方『タ゛タ゛』は、『ある勇者の憂鬱』と全く同じシステムを持ちながら、180度ノリの異なるパロディー版となっている。

『ある勇者の憂鬱』のシナリオがシリアスでどことなく切なげであるのに対し、『タ゛タ゛』はシナリオ担当のnanoray氏言うところの「中2の弟が書いたような語り口調」で、nanorayワールド全開でゲームが進んでいく。

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▲旅の僧侶に助けてもらったかわりに、何やら大事件に巻き込まれそうだ。ここはやはり、男として姫を救出に向かう?(ある勇者の憂鬱)
▲ 『ある勇者の憂鬱』の僧侶イベントのパロディー。ぜひテキストを見比べてみてほしい。『タ゛タ゛』には、こういった『ある勇者の憂鬱』のパロディーシーンが無数に登場する(タ゛タ゛)

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40種類以上のエンディングとテンポの良さで、気軽に何度でも楽しめる

この2作品の良さは、何といってもアドベンチャーゲームらしからぬ「お手軽感」。「気軽に何度でも楽しめること」に尽きるだろう。ほとんどYesかNoの選択だけでゲームが進んでいくので、小難しい謎に行き詰まることもなければ、昔のアドベンチャーゲームにありがちだった「単語探し」に思い悩むこともない。

1回1回のストーリーは短いが、そのテンポの良さと、40種類以上用意されているエンディングがチャレンジ精神をかきたて、気づいたら何度もプレイさせられていたというユーザーは多いだろう。フローチャートなどもすぐ書きあがるので、実際にすべてのエンディングを見ることも夢ではない。

▲美人だと思ってついて行ったら、なんと「よしと」だった......。まさに、ぽや~ん。(タ゛タ゛)
▲文字の入力を要求される場合もある。今まできちんとメッセージを読んでいたかどうかが試される場だ。(ある勇者の憂鬱)
▲ハッピーエンド、バッドエンドともにたくさん用意されている。時にはこのように世界を越えた意外な結末を迎えることも......。(ある勇者の憂鬱)
▲物語の目的は、タ゛タ゛を助けること。しかし、記憶を消されているせいで、タ゛タ゛が何なのかすらわかっていない。よって冒険中、プレイヤーはこういうテキストに翻弄され続ける運命にあるのだ。(タ゛タ゛)

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羊男氏と!J゚U氏の味わいのあるテキストに、グイグイ引き込まれていく

また、シナリオ担当の羊男氏(『ある勇者の憂鬱』)とnanoray氏(『タ゛タ゛』)のテキストが作り上げる世界観も、非常に味わい深いものとなっている。淡々とした『ある勇者の憂鬱』の語り口調と、人を食ったような『タ゛タ゛』の不思議な語り口調は、両氏ならではの独特の味があり、またそのギャップも相乗効果を生んでいると言えるだろう。

テキストアドベンチャーは、プレイヤーの想像力が勝負......とはよく言われるところ。絵が出ないばかりに冗長なテキストで補ってしまうと、テンポが悪くなるばかりか、プレイヤーの想像力を狭めてしまうことになりかねない。その点、この2作品のテキストは程よい文量が非常に心地良い。プレイヤーの想像力が豊かであればあるほど楽しめてしまう作品なのである。

▲「ゴンドラに乗りますか?」って、実際にいるのはどう見ても「ドラゴン」のようなのだが......。これも『ある勇者の憂鬱』の1シーンのパロディー。(タ゛タ゛)
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