ローリングとターボを駆使しつつ、超高速でゲートをくぐり抜けていく3Dレースゲーム
次から次へと迫り来るゲートを高速でくぐり抜けていく3Dレースゲーム。1991年に『ろりろりりーりんぐ』というタイトルで公開され、その後1995年のバージョンアップと共に『ROLLING95』に改名。新バージョンにはEASY TRAININGモードが追加されていて、本レース前にしっかりと練習を積むことができるようになっている。
レースには決まったゴールラインというものはなく、規定の制限時間内に規定数のゲートをくぐればステージクリアーというルール。操作は左右へのローリング、およびアクセルとターボのみで、アクセルだけだと最高速度327km/h、そこからターボを発動すればさらに最高速度511km/hにまで到達する。そしてアクセルを離せばブレーキがかかるという仕組みだ。これだけの高速空間の中で、ミスを最低限に抑えつつタイムトライアル的な走りがこなせるかどうかは、プレイヤーの集中力と反射神経にかかっているといえよう。
スピード感とローリングの迫力が、作品イメージを脳裏に焼き付ける
この作品の魅力は、なんといっても動きのダイナミックさにあると言える。ターボを発動させたときのスピード感は、「これがPC-9801なのか?」と当時のユーザーの目を疑わせたほどだ。
また左右のキーを押すとローリングしながら車体も左右に移動することになるが、画面上では車体ではなくコースと背景全体が傾くという手法がとられており、スピード感と相まって他に類を見ない迫力を生み出している。これにはグラフィックの回転・拡大・縮小といったコントロールが必要になってくるが、PC-9801らしからぬその処理の滑らかさと描画速度には唸りをあげずにいられない。間髪入れずに迫ってくるゲートを必死に目で追いながらローリングを繰り返していると、まるで遊園地の絶叫系アトラクションに乗っているかのような錯覚に陥るほどだ。
ここまでのものを作り上げる技術力の高さもさることながら、こうした視覚的なダイミナックさへのこだわりが、この作品を面白くさせている要因のひとつであることは間違いない。当時Bio_100%のゲームを数々プレイした人の中には、『ろりろりろーりんぐ』が忘れられないという人も多く見受けられるが、やはり視覚に訴えてきた映像が今もまぶたの裏に焼き付き、強烈なイメージとして残っているのだろう。
FM音源によるBGMが、レースシーンとユーザーの購買意欲を盛り上げた
元々PC-9801シリーズにはFM音源が搭載されておらず、1980年代は市販ゲームにおいてもBEEP音でカバーされる場面が多かった。もちろんFM音源もサポートはされていたのだが、別売りの拡張ボードはそれなりに高価なため、手を出せずにいた人も多い。
だが1990年代に入るとFM音源が本体に標準搭載されるようになり、拡張ボードも一気に低価格化。そのタイミングでサウンド面の強化に踏み切ったユーザーも多かったのではないだろうか。
そんな中で公開された『ろりろりろーりんぐ』もBGMはFM音源のみの対応ということで、ノリのよいサウンドをいつでも楽しめるよう、メインメニューにMUSICモードも用意されていた。BGMの有無でレースシーンのノリが俄然違ってくることは明らかだが、わざわざリスニング専用のモードまであるとなれば、もはや無音プレイで我慢できるゲーマーなどいるはずもなし。当時人気のフリーウェアということで数多くの人がプレイしていたわけであり、拡張ボードの普及や本体買い換え促進に、この作品もひと役買っていたことは言うまでもないだろう。
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コメント(1)
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- Core:2009年4月13日 03:03
当時のPCゲームは、3Dどころか2Dもガクガクスクロールしていたような時代だったので
凄まじく滑らかな挙動と、圧倒的なスピード感に驚いた覚えがあります
1面のBGMはBioゲーの中でも1、2意を争うくらい好きで
BGMを聴くためにゲームを立ち上げた事もしばしばステージ3の氷ステージ「Ice Ring」が、当時小学生の私には鬼門で
クリアー出来ずに何度泣いた事かわかりませんw