高速機動兵器「レオ・タオ」に乗り込み、20ステージを駆け巡る
太陽系を侵略しようとした帝国軍の第一部隊は、無事に撃退された。しかしそのスキをついて、帝国軍の別働隊が地球に攻め込もうとしていたのであった。太陽系内を光速で進み、20のエリアに分散して地球へ攻め込む無数の帝国軍。そんな手強い敵部隊を追撃可能な高速兵器は、冥王星基地に配備されている「レオ・タオ」のみだった。プレイヤーはこのレオ・タオに乗り込み、地球を救うべく宇宙へと旅立つことになる。
『Stardust Chaser』は、そんなプロローグで始まる横スクロールのシューティングゲームだ。ステージは全部で20面が用意されており、ステージ20のボスキャラを倒すとエンディングを見ることができる。
ステージクリアーは簡単だが、1体の敵も見逃せない緊張感
通常の横スクロールシューティングと同様、画面右側から出現する敵を倒しながら進んでいくのだが、この『Stardust Chaser』はステージクリアーの条件が一風変わっている。一定距離を進んだり、ステージ最後に待ち構えているボスキャラを倒せばクリアーというのではなく、各ステージに出現する一定数の敵を、倒すか、画面から消えるまでやりすごせば次のステージへと進めるのだ。
しかし、敵を倒さずにやりすごしてしまった場合は、そのぶん地球にダメージが加算されることになる。地球へのダメージが100%になるとゲームオーバーになってしまうので、なるべく敵を撃ち漏らさずにクリアーすることが大切になるのだ。さらに、敵の種類により逃したときのダメージが異なるので、逃していい敵とそうでない敵を見極めるという戦略も必要になる。
自機レオ・タオが敵機や敵弾に接触して破壊されてもステージクリアーとなるのだが、敵を見逃したとき以上の大きなダメージが地球に与えられてしまうので、やはりなるべく破壊されないに越したことはない。
通常の横スクロールシューティングは雑魚キャラ1体程度撃ち漏らしても何ら問題はないが、『Stardust Chaser』は、このように敵を見逃せば見逃しただけリスクを背負うことになるわけだ。このルールが、通常のシューティングゲームとは一味違った面白さとスリルを与えているのである。
レオ・タオは高性能! パワーアップアイテムと回転を駆使して敵を破壊せよ
攻略の最大のポイントとなるのは、1つのステージに必ず1つ出現するパワーアップアイテムだ。パワーアップアイテムは出現後、時間と共に形状が変わり、取ったときの形状により効果が変わる。弾の発射方向が複数になったり、発射した弾が爆発したり、光の剣を装備できたりなど様々な効果があるので、自分の好みや各ステージに合ったパワーアップアイテムを獲得すれば攻略がより楽になることは言うまでもない。
また、自機レオ・タオを回転させることにより、12方向への弾の撃ち分けが可能。通常では攻撃できない位置にいる敵を倒すための攻撃法だが、レオ・タオを回転させながらの乱れ撃ちは、全方向スクロールシューティングをプレイしているような爽快さを味わうことができる。
オープニングデモとエンディングシーンの懲り方は、作者の強いこだわり
そして最後に、このゲームの優れた「演出面」にも触れておかねばなるまい。作者のAscomoid氏自ら、「テレビアニメを意識してリキを入れて作った」という、オープニングデモとエンディングシーンは必見であり、本作に奥行きを与えるのに一役かっている。
当時、フリーソフトでここまで「演出面」に凝った作品は稀であったろう。「美しいデモ」は、どちらかと言えば市販ソフトの売り文句であり、フリーソフトでは取り除かれてしまいがちな要素であったが、そういう部分にも妥協していない『Stardust Chaser』をプレイすると、Bio_100%作品の振れ幅の広さに感服する次第である。
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