マウスオンリーの操作方法がユニークな、本格派アクションRPG
動物たちの住む不思議な星・らいよん惑星では、「猫」と「羊」が戦争をしていた。ついに惑星全域が羊軍の手に落ちようとしていたある日、主人公「ののりん」の操縦する機銃艇がらいよん惑星に不時着する。ののりんが気が付くと、そこは猫軍の最後の砦・猫城のある街だった......。
『戦国TURB』は、そんなストーリーからスタートするアクションRPGだ。「ののりん」という名前から分かるように、あの『TURB』の外伝的なゲームであるが、『TURB』を知らなくてももちろん問題なくプレイすることができる。プレイヤーは主人公ののりんとなり、猫軍の救世主として羊軍の制圧を目指すのだ。
ゲームの操作はマウスのみで行われる。特に移動に関しては、マウスカーソルを向けた方向に主人公が移動するという、独特な操作方法が採られている。この操作方法に、当時戸惑いを覚えたプレイヤーも多かっただろう。だが、慣れてくるとこの妙な操作感を楽しめるようになってくるから不思議である。
最大37人を動かし、戦略性豊かな多人数バトルが楽しめる
このゲームのメインとなる戦闘モードは、リアルタイムでの移動となり、接触する相手により行動が決定する。 敵である「羊」に接触すると戦闘となり、その時のお互いのステータスにより自動的に与えるダメージが決まる。「羊」を倒すと、主人公たちは経験値を得てレベルアップしていく。
「熊」や「兎」に接触した場合は、説得して仲間にすることができる。羊軍との戦いには、この仲間の手助けが必要不可欠。なんと『戦国TURB』では、最大37人の仲間をパーティーに入れることができるのだ。この多人数による戦闘が『戦国TURB』最大の醍醐味であり、たくさんの仲間が主人公と共に動き戦う光景は圧巻の一言である。
もちろん、戦い続けると主人公も仲間も傷ついていくので、時にはステータスを回復させることが必要。フィールドには猫の好物である「たいにゃん」という妖精が飛び回っているので、接触して捕まえると回復アイテムとして保存することができる。仲間がどれだけ残っていても、主人公が倒れるとゲームオーバーになってしまうので、主人公のステータスは特に小マメに回復しておかねばならない。
こういった仲間や妖精の協力を得つつ、フィールド上のすべての「羊」を倒すとそのフィールドを占領したことになり、さらに先のフィールドに進めるようになる。こうしてどんどん羊軍を制圧して行き、最終的には敵の本拠地を目指すのだが、ただ闇雲に敵にぶつかっていくだけでは勝利はおぼつかない。仲間を増やし、主人公と共に計画的に成長させ、自軍の戦力を整える戦略が必要になるのだ。『戦国TURB』は、RPGであり、アクションゲームであり、戦略シミュレーション的要素も楽しめる、実に欲張りなゲームなのである。
大作ではあるが、いい意味での異常な世界観は相変わらず
『TURB』シリーズに通して言えるのは、ゲームシステム云々の前に、まず世界観から楽しめてしまう作品であるということ。前作『TURB』とはシステムがガラッと変わり、じっくりやり込める本格的アクションRPGとして生まれ変わった本作であるが、シュールな世界観は前作譲りであり、他のゲームの追随を許さない。
その世界観を生み出しているのが、独特のテキストであったり、可愛らしいビジュアルであったりする。テキストに関しては、今回はそれが台詞まわしだけでなく、キャラクターのステータス画面にも及ぶ。
仲間にできるキャラクター全員に、舌をかみそうな独特な名前、おおよそ冒険には関係ないであろう好物などがいちいち設定されており、遊び心満載。ビジュアルに関して言えば、キャラクター、アイテム、文字フォントなど、小さいながらもこだわりの感じられるドット絵がかもし出す不思議な雰囲気も、このゲームの世界観作りに一役かっている。キャラクターが弱まると表情が変わってくるところなど、不謹慎ではあるが思わず微笑んでしまう可愛らしさである。
ドリームキャスト版も発売された『戦国TURB』
最後に、1999年、nanoray氏が興した有限会社クネップと、羊男氏が所属していたNECホームエレクトロニクスの共同著作により、ドリームキャスト版『戦国TURB』が誕生しているという点にも触れておかねばならないだろう。
PC版では見下ろし型であった平面マップがドリームキャスト版では3Dとなり、「ドラマシーン」と呼ばれるムービーも導入、ビジュアル面は当然のようにスケールアップ。また、引き連れて歩く仲間に指示を出せたりなどの細かい改良も見られる。
PCとコンシューマーでは当然市場の大きさが異なるわけで、このドリームキャスト版をプレイしてから、元となるPC版があったことや、Bio_100%の存在を知ったユーザーも多い。当時、ドリームキャスト版のファンから届いた手紙はダンボール箱数個分にも及んだらしく、nanoray氏を「やはりコンシューマーの力はすごい」と唸らせたそうだ。
なお、後に同じくドリームキャスト用として、『戦国TURB FanFan I ♥ me Dunce-doublentendre』なるファンディスクが発売されていることからも、当時のこのゲームのカルトな人気をうかがい知ることができる。
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コメント(4)
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- sabu:2009年8月16日 18:13
PC版では主人公ばかりに妖精さん与えてしまって、仲間死んでしまっても無視、みたいな非道プレーをしていた記憶があります。
最近ドリームキャスト版を買いました…ドリキャス(というかそもそもテレビも)持ってないけど…、
まず、間違いなくフォント拝むだけでも価値ありだと思います!!
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- mock:2009年9月14日 05:40
最近このサイト知りました。
戦国TURB大好きでした、今でも好きです。
ドリキャスで最初に絶対買おう思ってたのがTURB
もちろんTURB買いました。最高
そもそもドリキャスっていう選択肢が最高!
全員で召還獣?使ったら処理落ちなったりしました。
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- muda:2009年10月14日 01:27
DCで発売されるとき、めちゃくちゃコウフンしたのを覚えてます。
PC版はやりこんでやりこんで、でも結局最後の橋が渡れなくて詰みましたね…
あーやりたいなあ(´・ω:;.:...
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- poko:2011年12月 3日 15:50
当時友人宅でPC版戦国TURBと出会いました
シュールな世界観に魅了されたのを思い出します
きっと自分のシュールな部分は戦国TURBがルーツなんだな…いつかまたプレイできたらなぁ…(´д゜)