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アレンジ版プロジェクト

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ミュージックアーカイブ

Finalty オーケストラレコーディング #1

Finaltyはオケで(作曲~編曲編)

Finaltyをオーケストラで生演奏する。それは作曲したときからの夢だったのかもしれません。実際、Bio本2のコメントに「いつかはどこかのオケでも雇って、演奏会をしたい」なんて事を書いています。

Finaltyはオケで。作曲が始まる前から、なんとなくfinとの暗黙の了解でした。最初にオープニングデモの一番最後の部分、Finaltyが出動して行く場面の曲を、僕がFinalty用というわけではなく、なんとなく書いたのがきっかけです。

映画音楽なんかは皆オーケストラだったので、いつかはゲームのBGMもオーケストラで実現したいと思っていたのです。衝撃を受けたのは、やっぱりSFCのアクトレイザーかな。オーケストラで実現されたその音楽は、当時のパソコンの音源では到底実現不可能で、SFCの音源の性能からしても驚異的でした。そうなんだ。こういうのを僕は求めていたんだと思いました。それからほどなくしてFinaltyはMIDI(GM)で行く、という方針が示され、これでやっとオーケストラが実現出来ると思ったのです。それで試しに書いてみたのが、その部分。

finも、すぐにオープニングデモの曲をオケ風に書きおろしました。そして、その僕の作った部分も最後の方につなげられ、一曲として完成。その後、finはタイトル曲や、ハイスコアラーの曲やエンディングなどもオケ風に作りました。僕は、最後のボスを倒すシーンの音楽や、finに「あと一曲作って」と言われて、SuperDepthの宇宙面をオーケストラアレンジしたりしました。その際に僕が心がけたことは、オーケストラ風に聞かせる、という事よりもより現実的なアレンジでした。発音数の制限などから全てのパートが完璧とは言えませんが、もし譜面にしても無理のないようにと心がけたつもりです。だからと言って、実際にオーケストラで演奏させようなんて夢にも思い描いていませんでした。ただ、いつかそんな日が来たらいいなと、おぼろげには思っていたけれど。

▲Finaltyはオーケストラ

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なるべく原曲通りに(編曲編)

今回オーケストラに編曲するに当たって、意識した点はなるべく原曲通りにというものでした。もう20年近く前の事情ですが、ゲーム音楽のオーケストラアレンジというとどうも原曲とかけ離れちゃうというか、新しい音楽性を提案するものが多かったのですね。それも一つの方向性でアリだとは思いますが、一人のゲーム音楽ファンとしてはちょっと違うかなと思っていたりもしました。

過去に、自分が好きだったゲームのオーケストラアレンジを聴いて、少しがっかりした記憶もあります。それはその新しい音楽性もさる事ながら、ものによっては原曲者が一切タッチしていない点なども気になったのです。その辺を鑑みて、今回、元がオーケストラ風に作曲されたものについては、あまり手を加えないでそのままのオーケストレーションで勝負する事にしました。当時の編曲が実際のオーケストラに通用するのか、という事への挑戦でもありますし、前述の様にオリジナルになるべく近くしたかったからです。そして僕も含めて、finの意見も聞いたりして、なるべく自分達の手で作り上げたいという目標も掲げました。

ただし編曲の方は、僕やfinだけでやったわけではありません。僕は、吹奏楽は経験あるけど、オーケストラ、特に弦楽器の譜面は実際に書いた事が無いし、その他の細かい点も鑑みて、やはりプロにお願いする事にしました。今回、担当して頂いたのは、ゲーム音楽のライブ・オーケストレーションなど担当しているジョン・ヴァルトネンと、ハリウッド映画音楽などの編曲で活躍されているニック・レーンのお二方。そして、僕も、実際の譜面はほとんど書いてませんが、MIDIデータで編曲出来るものは自らが行いました。また、譜面になってからも非常に細かい修正を施しています。その一部はこんな感じです。

> 26の手前のアウフタクトから32の頭まで入っている1回目の主題ですが、
> 原曲ではHrのみにアサインされています。今回これに弦が加わっている
> のですが、前回お送りしたように、ここはHrのみでお願いしたいです。
> その次の34の手前のアフタクからの2回目の主題は、弦が重なっても良い
> と思います。恐らくは、Hrが2本しかないので、これでは弱すぎるという
> のが理由かと思います。
> 最後の方ですが、70の2拍目、Tp.の和音は、その前の3連符からcresc.し
> てきて、dec.になっています。ここは、2拍目頭がfpで、その後、cresc.
> に変えて下さい。
> 最後、75のHr.の伸ばす音ですが、その前の小節のGの3連符から、その下
> の音(E)になって延ばしているのが、ちょっとおかしい感じです。
> なので、他のパートは全体的に上がっているので、同じ様な動きにした
> 方が良いと思います。行く先としては、上のターブのCでしょうか。
> 50のコードが違う気がします。
> いきなりコードがFで解決してますが、ここは、[F B♭ C]から51でB♭が
> Aに解決してコードがFになるハズ、もしくはその方がいいかなと思いま
> す。
> (→MIDIデータを確認した所、Aの音は出ていません。なのでここのコー
> ドは不定ですが、この指示通り、この小節はB♭で、次の小節でAに解決
> して下さい。)

なので、編曲は、全体的には半々くらいの比率と言えるのではないかなと思います。

▲Finaltyの譜面

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チェコのオケを使う

チェコのオーケストラを使おうと思ったのは、色々理由がありますが、これは「ジャイアントロボ」の衝撃が脳裏に焼きついていたから、というのも大きいです。これで東欧のオケって素晴らしいと洗脳されてしまってまして、そんな僕にとって今回の選択はそんなに突拍子もない大袈裟なものでは無かったと言えます。現在のチェコはEUに加盟し、もう東欧という表現はおかしいのですが、やはり旧東側というと凄くミステリックな印象がありますよね。レコーディングはそのチェコの首都プラハで行われましたが、ここは音楽の都でもあります。そこに、フリーのゲームの音楽が響くって、もう考えただけで興奮でしたね。

▲チェコの首都プラハ
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